以前、ある国選事件を担当したとき、被告人の方から言われたことがあります。
「傍聴してた友人から(※刑事裁判は誰でも見ることができます。法廷で裁判を見ることを「傍聴」といいます。)、『おまえの弁護士、ほんとうに国選なの。こんなの見たことない。』と言われました。先生、しっかりした弁護活動をしていただいてありがとうございました。」
依頼者が、法廷技術や弁護活動に対して感謝してくれることは、弁護士冥利に尽きます。ありがたいことです。
ただ、国選であれ、私選であれ、ひとたび弁護人となれば、最善の努力をするのは当然のことです。彼や彼の友人のように、何度か刑事裁判を経験した人の中には、「国選弁護人はしっかりやらないものだ」という印象を持っている人が少なくありませんが、そのような印象が払拭されるような弁護活動を続けていきたいと思いました。(彦坂)